ボルダリング初心者が上達するために必要な7つのコツ

ボルダリング初心者のうちは、なかなか上手くならないと悩む方も少なくありません。
今回は初心者が確実に上達するコツを7つご紹介します。
ボルダリングが上達するには普段の体の使い方やテクニックを見直すことが大切です。きちんとした基本的なポイントを意識することで中級者、上級者を目指しましょう!

①基本姿勢「脱力でスタミナ温存」

ホールドを掴んでいる時は腕を伸ばして腰を落とすことが重要です。
「腕は伸ばす」&「膝は曲げる」この単純な2点を心掛けるだけで、体力の消耗を大幅に抑えられます。ただし、ここで大切なのは「腕を伸ばす」と「膝を曲げる」はセットで考えてください。腕を伸ばしても膝が伸びてしまっては逆に腕が疲れてしまって逆効果です。

②基本の動き「三点支持」

これは基本中の基本ですが、ムーブするときは両手、両足の4点のうちどれか一つしか壁から離さず、必ず三点支持で登ることです。

また、それと同じに大事なのが、手足の順番です。基本的には出したい次のホールドの方向と同じ足を出す事です。足を乗せたらしっかりと体重を乗せ、登ると同時に手を出し、下半身の”タメ”で上への推進力がつきます。
是非、無意識にできるようになるまで練習しましょう。

③正しい「ホールドの持ち方」

初心者の方が最も筋肉痛になりやすいのは二の腕ではないでしょうか。
「翌日、腕がパンパンで物が持てない」なんて話をよく耳にします。痛みの原因は最も小さい筋肉である「手」から発生します。
持ち方が悪いと、胸筋や広背筋などの大きな筋肉はまだまだ元気なのに手が限界ということになってしまいます。
正しい持ち方を知ることで手の負担を減らしましょう。

ここでは基本のガバ、ピンチ、スローパーの3つをマスターしましょう。

A.「ガバ」(ジャグ)
ガバホールドとは、その名の通りガバッと持てる大きくて一番つかみやすいホールドで、初心者用のルートなどで多く見られます。
間違って掴む人はごくわずかですが、コツとしては無駄に力を入れずに軽く手のひら全てで握り込むことです。力を抜くことで指への負担は少なくなるでしょう。

jug

B.「ピンチ」
ピンチ(pinch)はつまむという意味の英語で、親指と他の4本の指で挟むような小さめな形状のホールドです。特に親指の力と使い方が重要で、上級者になるほど「ピンチ力」が勝負を分けます。指の筋肉ですから鍛えにくいですが、まずは自分の指をどう動かせば効率よく持てるのかを知ることが大事です。

pinch

C.「パーミング」
スローパーはバスケットボールくらいの小さいものから直径1メートル以上の大きなものまでであります。6級くらいの課題から使われて、初心者ですと始めはどう処理すればいいか戸惑うことでしょう。
そこで、「パーミング」と呼ばれるテクニックで攻略します。
形状は比較的ゴツゴツしているので、他の人がつけたチョークのポイントを見極めて体重を落として手のひら全体で引っ掛けるのがポイントです。
またスローパーは指を曲げこむことができないので、肩と背中などの広背筋に力を使い、体の重心を真下にすることで安定します。

sloper

④ホールドごとに「持ち方を変える」

ホールドの持ち方は2.の3種類以外にも多くありますが、基本をおさえることでフットワークを使った体重移動を行うムーブの改善に役立ちます。持ち方は、全てのクライマーに共通するものではありません。
手の大きさ、腕の長さ、筋力が違うようにそれぞれが最適な持ち方を探すことが非常に大切です。自分の重心がどこにあるのか考えながら力が働く方向にホールドをつかむことを学びましょう。

⑤順序よく「正しく足を置く」

動きの基本は「足」→「手」です。
ボルダリングは、手と同じで、足の置き方ひとつで、次の動きが大きく変わってきます。基本的には足元をよく見て土踏まずでホールドにベッタリと置かずに足のつま先でホールドに立つことを心掛けましょう。

ここではレベルアップのため、フロントエッジ、インサイドエッジ、アウトサイドエッジの3つをマスターしましょう。

A.「フロントエッジ」
フロントエッジはその名の通り壁の正面でつま先だけをのせる基本的な方法です。
つま先だけなので踏み込むように力を入れれば少し遠くてもホールドを掴めるので便利な足の置き方です。

B.「インサイドエッジ」
インサイドエッジは足の親指の付け根あたりでホールドに乗る足の置き方で拇指球に力を入れることでしっかりとホールドに安定して立てるようになります。

C.「アウトサイドエッジ」
インサイドエッジとは逆に小指側に立つ乗り方です。
最初のうちはバランスをとるのにやりづらく感じるかもしれません。
足の小指に意識を集中してホールドとどう噛み合ってるか考えながらマスターしていきましょう!

⑥急がば回れ!ホールドの上で「左右の足を入れ替える」

課題のレベルが上がるにつれ、段々と足のバランスが取りづらくなってきます。
そのため、上に登るだけでなく、「トラバース」と呼ばれる横移動も必要になってきます。またしっかりとホールドに足が乗っている状態で足を入れ替えることにより、ムーブが可能になります。

⑦体<頭 オブザベーション(作戦)が大事

ボルダリングでは登る前に課題(ルート)を下見して攻略方法を考えることが大変重要です。もちろんこれまで紹介してきた「体」を使ったスキルも必要ですが、トップ選手の中には「頭脳」の方を重要視している面も多分にあります。

Observationは日本語で「観察」という意味で、ルートの下見をして、頭の中でシミュレーションをします。コツとしては
(1)様々な登り方を頭の中でシミュレーションしてみる。
(2)課題の途中の少し難しそうなホールドを見てどちらの手でとるか、足はどう置くか処理を考える。
(3)失敗した場合はなぜ登れなかったのかを考える。また、同じ課題をしている上達者を見てより楽な方法を真似してみる。

これらを踏まえることで今までできなかった動きができるようになり、登れるグレードも上がることでしょう。

ルートの数手先まで考えたりしてると、将棋みたいでボルダリングの奥深さを感じますね!

最終的には初見で、他の情報や助言を得なくても自力で完登(オンサイト)を目指しましょう!